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日本人ではなく地球人として生きる :NPO法人地球の友と歩む会

インドネシアとインドを中心に、現地のNGO団体と共同パートナーという形で支援活動を行っている「NPO法人地球の友と歩む会」。 インドやインドネシアは近年、発展してきていると言われていますが、それらの国内の都市部と農村部では貧富の差が根強く残っています。この課題に対して現地の人たちが自ら改善できるようにサポートしているのが、このNGOです。

このNPOが特徴的なのは支援のスタンスです。現地が抱える課題に対して、あえて直接的なサポートをするのではなく、現地の人たちと一緒に考えるパートナー的な立場として支援を行っています。そして、現地の人たちが10年先に精神的にも経済的にも安心して暮らせる社会を目指しています。

パートナーとしての支援とは一体どういうことなのか?

ここからはこのNGOの具体的な活動内容について書いていきます。例えば、現地のNGOから「農村の発展のためにマングローブの植林を行いたい」との相談があったとします。「農村の発展のため」という部分が、このNGOの目指す方向性と同じなので活動スタート。植林に必要な物資の調達費用や人件費をまとめた見積もりを現地NGOから受け取り、インドネシア担当者が現地の視察へ向かいます。

現地視察では次のことを調査します。「本当に植林が必要な地域なのか」「その植物は気候や地質に適しているか」「植林の後に世話を続ける仕組みはあるか」など。こうした調査をもとに必要なものを調達し、植林に向けての細かい段取りを決めて実行に移ります。

ちなみにインドネシアでは、現地の警察や公的機関の関係者が立ち合いのもと植林活動が行われました。なぜ、警察まで立ち会ったのかというと、マングローブの苗は日本で買うと1本100円くらいなのですが、これは現地の一般家庭のお昼ごはん10食分に相当するそうです。そのために警察などが立ち会うことで盗難が起こらないようにしていたのですが、今までのところ幸いにもそのようなことは起こっていないそうです。

一度きりではなく持続可能なものにするために

ただ、木を植えること以上に大切なことがあります。木を育てるのは現地の人ということです。そして、植林が自分たちにとって必要なものであるという理解を促す必要があります。そこでこのNGOでは植林をした後も年に2回ほど定期的に現地視察を行うなど長期的なサポートを行っています。最初の一歩を踏み出すサポートは惜しまず、それぞれの段階でできる範囲で支えていきます。しかし、育てて伸ばして地域に根付かせていけるかは現地の人たち次第です。

現地のことは現地の人たちですべて解決することが理想ですが、どうしても解決しないこともまだまだ多くあります。それでもパートナーとして支援することで、1回きりではない持続可能なものにしていくことができると、このNGOは考えています。そして、ゆくゆくは手を引いた後も現地の人たちだけで回していけるようにという想いを込めてパートナーという形をとっています。

「自分が頑張った分、現地の人たちの支援につながっているということが続けていける原動力になっていて、自分自身とても勉強にもなっている。毎日同じ業務はないからこの仕事が楽しい」とスタッフの佐藤さんは言う。

地球に生まれてきた者として、私にも何かできることがあるのではないか。そう思えるようなお話でした。

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