棚田とは何か。山間部に住んでいた人たちが長い年月をかけて培ってきた農業技術で、傾斜地に石垣を積み上げて作った段々の田んぼである。「段々畑」とも呼ばれる。そんな棚田が後継者不足によって失われつつあるのだが、それを必死に食い止めようとしているNPOがいる。それがNPO法人棚田LOVER’sだ。2007年に理事長である永菅さんが、学生とともに立ち上げたNPOで、大学生の頃に農家の方から「あと5年で棚田がなくなるかも」という話を聞いたのが、団体を立ち上げようと思ったきっかけだという。活動のキャッチコピーは『棚田を愛し、棚田を育む ~未来の子どもたちのために~』。ただ、このNPOが面白いのは、棚田を残せと闇雲に叫ぶだけではないということだ。
「棚田のことを伝えていくことは大切ですが、伝えるだけでは説得力がないと思うので、団体でもお米を育てることにしました」と永菅さんは言う。