「棚田のことを伝えていくことは大切ですが、伝えるだけでは説得力がないと思うので、団体でもお米を育てることにしました」と永菅さんは言う。
ただ、言うは易し行うは難し。初年度から痛い目に合った。鳥獣被害のことは頭で分かっていたつもりだが、収穫間近のある日、イノシシやシカが現れて稲を真っ逆さまにひっくり返して行ったのだという。その結果、収穫できたお米は手のひら1杯分。最初はそんな有様だったが、今では10年選手。現在は『棚田エコ学園』と称した今年で5年目となる本格的なお米を育てることを学ぶことができる講座や、棚田で穫れたお米と新鮮な野菜を通信販売する『農楽屋(のうがくや)』の他に、さまざまなイベントも行っている。