このNPOの取材を通して印象的だったキーワードがあります。それは「防災といわない防災」です。少し禅的な感じさえもする言葉ですが、これには日常の中において自然に災害から身を守る方法を学んで欲しいという想いが込められています。このNPOの活動で頻繁に用いられるキーワードで、団体の理念を象徴している言葉な気がしました。
取材が進み、活動内容について教えてもらった後に、ふと気になったことがあり、寺本さんに「これまで活動をしていて、達成感を感じられた瞬間はありましたか?」と尋ねたところ、「被災をしたときに救援を受けた人たちが、今度はこのNPOの活動を支援する側としてかかわってくれたことですね。なんとなく、それは一度結んだつながりが大きく広がり、1つの達成感のような感じがしました」と語ってくれました。
そして、最後に聞いたのは、このNPOのこれからの夢です。
「高齢の人から若者まで自由に参加できるコミュニティが作りたいですね。災害時に大切な意味を持つのがコミュニティです。また、今の時代だからこそ、そのような取り組みを行いたいと思っています」
そう話す寺本さんの瞳はとても優しく、力強く輝いていました。