ムラのミライというNGOの『メタファシリテーション』という技術だ。この団体が携わってきた国際協力の場で培われてきた実践的なもので、現地の人たちとの対話を通して、「あるもの=事実」を浮き彫りにすることで効果的な支援を見極める。
メタファシリテーションにおいて「〇ができないから△できない」という思い込みは禁物だ。それは支援する側の先入観だけではない。ついつい現地の人たちが答えを持っていると思い込み、何が足りていないか聞きがちだが、そこから得た答えは食後のケーキは別腹のように「無いといえば無い」くらいのときも少なくない。
「文字が読めないと聞いたら識字教室、次は野山がはげ山になっていると聞いたら植林、その次は現金収入が足らないと聞いたら収入向上プログラムで鶏を配るということをやりがちですが、やってもやっても終わりが見えません」と宮下さん。