NEWSリポート記事一覧

人と猫の架け橋:NPO法人 神戸猫ネット

人ごみの中のマルチーズ、そして猫捨て山

時は阪神淡路大震災まで遡ります。「たまたま猫だったんです」と話すのはNPO法人神戸猫ネットの代表の杉野千恵子さん。震災によって自宅は全壊。黙々と道を歩いていると、1匹のマルチーズが人ごみの中に混じっていました。そのとき目と目が合ったそうなのですが、家が壊れていたこともあり、おいでと言ってあげることができず悔しかったとか。

「でも、家が元に戻ったら、犬でも猫でも最初に来たものを拾おうと思っていました」

自宅は再建し、早速行動に移すことになります。家の近くに「猫捨て山」と呼ばれる捨て猫が集まる公園があったのですが、震災の影響か猫の数が100匹以上に膨れ上がっていました。この背景には大きな問題があります。復興住宅を建てるときに犬はすべて連れて行かれたのですが、猫はすべてここに捨てられていったそうです。

地域猫活動はじめました

ただ、すべての猫の世話をするとなると、猫を迷惑だと思う人たちとトラブルが起こる可能性があったので、あらかじめ役所に相談したところ、公園の管理会や自治会、公園で活動する団体などが行っている「公園ミーティング」で、そのことを話しませんかと誘われました。そんな縁もあり、今度は衛生監視事務所に呼ばれ、「地域猫活動をしませんか?」と声をかけられたことから個人的に活動をスタートします。

ただ、すべての猫の世話をすると、猫を迷惑だと思っている人たちとトラブルが起こる可能性があったので、あらかじめ役所に相談したところ、公園の管理会や地域の自治会などが集まる「公園ミーティング」に参加しませんかと誘われました。そんな縁もあり「地域猫活動をしませんか?」と声をかけられたことから杉野さん個人の活動がスタートします。

不幸な猫を増やさない、今いる猫を幸せに

今、猫や犬の殺処分が問題になっていますが、人の考え方はそれぞれです。殺処分に反対する人もいれば賛成する人もいます。そこで両者の気持ちに寄り添うことはできないかと考えたのが「地域猫活動」です。野良猫が闇雲に繁殖しないように手術を施し、一代の生を全うさせる代わりに地域で適切に管理する活動です。手術した後に目印として耳をV字にカットすることから「さくらねこ」とも呼ばれています。ちなみに神戸猫ネットでは「TNR活動」と呼んでいます。Tは捕獲、Nは手術、Rは戻すの英語の頭文字です。ただ、この活動を個人でするには色々と限界があったため、同じ志を持つ仲間を集めてこのNPOを作ることにしました。

邪魔者ではなく資源としての地域猫

こうして不幸な猫を1匹でも救いたい。小さい命にも優しい町にしたいという想いで始めたNPOでしたが、最初から順調だったわけではありません。地域猫活動に反対する地域の人もいました。しかし、常に最善を尽くしながら一歩一歩進んできたことで、今では地域から「活動をやめてもらっては困る」や「ありがとう」という声があがるNPOになりました。そんな神戸猫ネットだが目標があるという。

「人と猫とが関わることで明るい町になり、いつか猫が神戸のおしゃれに役立つようになればこんなに嬉しいことはない。猫が邪魔者でなくそれこそ『資源』としてみられる時が来たらと、そう願っています」

モノキフしませんか?

リユースでNPOに寄付できる