時は阪神淡路大震災まで遡ります。「たまたま猫だったんです」と話すのはNPO法人神戸猫ネットの代表の杉野千恵子さん。震災によって自宅は全壊。黙々と道を歩いていると、1匹のマルチーズが人ごみの中に混じっていました。そのとき目と目が合ったそうなのですが、家が壊れていたこともあり、おいでと言ってあげることができず悔しかったとか。
「でも、家が元に戻ったら、犬でも猫でも最初に来たものを拾おうと思っていました」
自宅は再建し、早速行動に移すことになります。家の近くに「猫捨て山」と呼ばれる捨て猫が集まる公園があったのですが、震災の影響か猫の数が100匹以上に膨れ上がっていました。この背景には大きな問題があります。復興住宅を建てるときに犬はすべて連れて行かれたのですが、猫はすべてここに捨てられていったそうです。