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須磨海岸を綺麗にするトングを持ったサンタたち

夏は海水浴客、冬はサーファーがいっぱい。兵庫県にある須磨海岸は全長約1.8キロ。音楽好きな人にとっては、アルバム『ペットサウンズ』で有名なビーチボーイズの曲の題材となった場所でもある。ここは阪神間でもっとも大きい海水浴場らしいのだが、とても立地が良い。ビーチが駅に直結しており、改札を抜けたら目の前が砂浜だ。この海水浴場は立地も良い。ビーチが駅に直結している。改札を抜けたら目の前が砂浜だ。海水浴のシーズンになると毎年100万人もの人が訪れるとか。そんな須磨海岸においてシンボルマーク的な存在といえば赤色の六角形の灯台、通称『赤灯台』である。これの歴史は古く、もともとは日本最古の灯台である和田岬灯台だったものを、ここに移したものなのだが、師走真っただ中の12月17日に、手にトングとごみ袋を持ち、頭にサンタ帽をかぶった集団が集まっていた。

あわてんぼうのサンタクロースではない

あわてんぼうなサンタクロースが、クリスマスと勘違いしたわけではない。須磨海岸を綺麗にするための活動を目的としているNPO法人神戸海さくらが、毎月行っているゴミ拾い活動の現場である。ごみ袋とトングは要返却だが、サンタ帽は神戸海さくらからの少し早めのクリスマスプレゼントである。ちなみにこのNPO団体の代表である森口さんは全身サンタルックという気合の入りよう。参加者の中にもサンタクロースの口の部分から顔を出せるような着ぐるみを着ている人もいた。

ゴミの落ちている場所には季節感がある

森口さんによると、今回集まったボランティアは新規の参加者が多いそうで、まずはお互いの自己紹介から。それからこのNPO団体の本題であるゴミ拾いが始まるが、なんせ須磨海岸は広いということで、体力に自信のある人は西側、そうではない人は東側という感じでエリアを別けて担当することになる。

ゴミ拾いながら森口さんに話を聞くと、ゴミの落ちている場所には季節感があるらしい。夏場は浜辺側に集まり、冬場はその外側の歩道や木の陰に落ちていることが多いそうだ。また、一言にゴミといっても色々ある。ペットボトル、食品や駄菓子の包装、空き瓶などだが、もっとも目立つものといえばタバコの吸い殻だった。フィルターの部分がよく転がっていた。こうして集まったのが燃えるゴミ6袋、燃えないゴミ1袋、瓶と缶とペットボトルなどの資源ごみが1袋。スタッフによると今回活動を行ったのは12月ということもあり、他の月よりは少なめとのこと。

海を綺麗にするだけではない、海が好きな人たちを繋ぎたい

今回、神戸海さくらの活動に参加してみて分かったことがある。ボランティアとの距離が近い、フレンドリーなNPOということだ。団体のモットーは「楽しみながら、ゴミ拾いをすること」。環境保護系のNPOらしく、もちろん海を綺麗にすることに重点を置いているのだが、このNPOが大切にしているのはそれだけではない。活動を通して海が好きな人たちを多く繋ぎたいという目的がある。ゴミ拾いに必要なトングやごみ袋、軍手などはすべて、このNPOが現地で貸し出している。手ぶらで気軽に参加できるので、須磨海岸にお越しの際は、散歩ついでに参加してみてはいかがだろうか。気が合う仲間と出会えるかもしれない。

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