教員の経験がある浅葉さん。今の活動には、その経験も大きく影響しているのだろうか。そんな記者の問いに、彼女は「それはあまり関係ない」と即答する。むしろ影響しているのは、自身の幼少期の経験であるという。
「今の若い人たちは、お腹が空いていても食べ物がない、なんて経験をしたことがないでしょ? わたし達の世代は、お弁当箱を開けると、ふたにお米がこびりついているでしょ。それを残しても「もったいない」と親から怒られたような時代だったんです」
「みんながちゃんと食べられればそれでいいんだから。過剰生産で大量廃棄なんてバカみたい!」
そう言って笑い飛ばす浅葉さんの声がとても印象的だった。活動の根底にあるのは、「食べ物は命」、「食べ物を棄てるなんておかしい」といういたってシンプルな思いなのだ。