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“見えにくさ”への気づき ~女性を取り巻く複雑な生きづらさを解消するために~

カウンセリングにやって来る女性たちが抱えている問題の中で大部分を占めているのは、配偶者からのDVや母親との関係性だという。一見無関係に思われるかもしれないが、このふたつの問題は密接に繋がっている。母親に長年支配的な態度をとられ続けた女性が、結婚後も夫に支配されるといった関係をくり返してしまう、というケースが多いという。

母親が娘の人生をも支配してしまう「一卵性母子」は、第三者からは気がつきにくい。その理由を、岡本さんはこう語る。

「子供が成長して親離れするのは当たり前のことで、男性の場合はそれができないと『マザコンだ』なんて言われてしまう。だけど、母親と娘がべったりくっついていても、周りの人はマザコンだなんて言わないでしょう。むしろ、『母娘で仲が良くていいわね、親孝行ね』といった感じで、その親子が問題を抱えていても気がつきにくいんです」

べったりでも気にならないからこそ周りから見えずらい母と娘の問題

女性だから、といった理由で問題が見えづらいこと、また問題が助長されるといった例は多い。たとえばジェンダーの問題は、発達障害の女性にも“生きづらさ”をもたらしているという。

「発達障害のひとは、片づけが苦手だったり、他者とうまくコミュニケーションがとれなかったりする傾向がある。男性だとそれが『男の子だし片づけが苦手でもしょうがないよね』って許されたりもするんだけど、女性は片づけが上手にできたり、社交的だったりすることが求められることが多いから、そういった症状が問題視されやすいんです」

女性たちが抱える生きづらさを解消するために

女性たちの抱える“生きづらさ”を解消するためには、まず被害に遭った女性の自責感を取り除く必要がある。カウンセリングに来る女性たちのなかには、

「自分がいけないからこうなってしまったんじゃないか……」

「わたしが気にしすぎているだけなんじゃないか……」

といった自責感情を抱えてやって来るひとが非常に多いという。そこでカウンセリングの際には、被害に遭ったときの状況などをひとつひとつ振り返り、客観的に見つめなおすことで少しずつ自責感をなくし、自尊感情を回復することを目指す。1対1のカウンセリングのみならず、同じ悩みを持つ女性同士で集まって互いの問題を客観視する機会を作ることもあるという。

身体的に障害のある人や、高齢者の場合と比べると見えにくい女性という弱者。けれども、「見えにくい=遠い世界のできごと」というわけではなく、むしろ身近な問題であり、誰しもが直面しうる問題でもある。頭の片隅にでもそういった意識をもつことの大切さ、そして障害のある人や高齢者が第三者からの支援を必要としているのと同じように、女性たちにも支援と理解が必要であるということをもっと広く知ってもらえたら……、そう願わずにはいられない取材となった。

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