女性たちの抱える“生きづらさ”を解消するためには、まず被害に遭った女性の自責感を取り除く必要がある。カウンセリングに来る女性たちのなかには、
「自分がいけないからこうなってしまったんじゃないか……」
「わたしが気にしすぎているだけなんじゃないか……」
といった自責感情を抱えてやって来るひとが非常に多いという。そこでこのNPOではカウンセリングの際には、被害に遭ったときの状況などをひとつひとつ振り返り、客観的に見つめなおすことで少しずつ自責感をなくし、自尊感情を回復することを目指す。1対1のカウンセリングのみならず、同じ悩みを持つ女性同士で集まって互いの問題を客観視する機会を作ることもあるという。
身体的に障害のある人や、高齢者の場合と比べると見えにくい女性という弱者。けれども、「見えにくい=遠い世界のできごと」というわけではなく、むしろ身近な問題であり、誰しもが直面しうる問題でもある。頭の片隅にでもそういった意識をもつことの大切さ、そして障害のある人や高齢者が第三者からの支援を必要としているのと同じように、女性たちにも支援と理解が必要であるということをもっと広く知ってもらえたら……、そう願わずにはいられない取材となった。