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患者と家族が病気以外で苦しまないようにするために

杉浦日向子という人を知っているだろうか。漫画家として世に出て30代半ばで「隠居生活」と称して画を捨て、エッセイストと江戸文化の案内人に転身する。それから45歳のときに「念願だった豪華客船で世界一周の旅をする」と言い残して、表舞台から消えた一年後に悲報が届く。これには裏話がある。漫画を辞めたのは気まぐれではなく、免疫系の病で引退せざる得なかった。また、世界一周についても実は癌と闘っていたのだが、どちらの事実も死後まで伏せられていた。この人のことを思い出すたびに無念という言葉が頭に浮かぶ。漫画も人生も幕引きが早かったからだが、現実というのは残酷なものだ。夭折という言葉が似合う年齢の子どもに病魔が迫るときがある。それならせめて安らかであって欲しいが、そうもいかない場所がある。

病院は病床であっても宿泊施設ではないということ

子どもの頃を思い出して欲しい。子は親と一緒にいたいものだ。それは昼間だけでなく眠るときもだが、病院ではそんな当たり前なことが難しかったりする。病院は病床であって宿泊施設ではないので、原則、家族には寝泊まりする場所はない。確保できてもベッド隣のパイプ椅子がせいぜいだろう。子が亡くなるかもしれないという悲しみに暮れる人になんたる仕打ちだろうか。人情で考えると馬鹿げているが、ルールというものは真顔で大手を振る。ただ、それに疑問符を投げつけるNPOがいる。それが『公益財団法人チャイルド・ケモ・サポート基金』だ。

病気以外で苦しんで欲しくないという想い

このNPOは小児がんを始めとした医療ケアが必要な子どもや若年成人と、その家族のための施設『チャイルド・ケモ・ハウス』を運営している。これは病院と家の間のような施設で、アットホームな環境でありながら、もしものときのために医療者が控えている。

「患者さんとその家族には病気になったこと以外で、苦しんでほしくないのが、私たちの考えです。医療の形を変えて、もう少し医療と一般の方の距離を近づけていきたいと思っています」というのは楠木さん。

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