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大人に見守られていることを知らない子どもたちの辛さ

家はあっても居場所がない。俺のことを分かってくれるのはこいつだけだと、頭をなでようとした飼い犬に手を噛まれる。昨今の家庭では、飼い犬よりも立場が低いと嘆くお父さんがいると聞くが、これは中年の悲哀についての話ではない。町を歩けば出会うかもしれない子どもたちの話である。

町を歩けば出会うかもしれない子どもたちの話

兵庫県の三田市を拠点として活動している、場とつながりの研究センターは「三田まちの寺子屋 まなびあ」という活動を行っているNPO団体だ。名前に含まれている寺子屋というと江戸時代の学習施設の名前で、勉学をはげむ場所というイメージが強いが、この「まなびあ」は子どもたちの学習支援をするだけの場所ではない。NPO団体として活動がスタートした当初、経済的なしんどさを抱えている家庭の子どもや、ひとり親の家庭の子どもを主なターゲットとして、学校が終わった後、放課後に学習する場としての提供を目的としていたが、活動を続けるに従って、そうした家庭の子どもたちが抱えている大きな問題は、学習の遅れよりも人とのつながりに飢えており、特に自分のことを見守ってくれる大人がいるという認識が不足していることが分かった。

子どもたちにとって自分のことを見守ってくる大人の重要性

そうした子どもたちがどうなるのか。当然ながら全員が全員ではないが、どうやら自尊感情や自己肯定感が低かったり、物事を考えるときの視野が狭くなりがちだという。そこで学習支援を行うだけでなく、スタッフの学生や地域のおっちゃんおばちゃんとのコミュニケーションを通して、君のことを見守っている大人がこんなにいるよ、ということを子どもたちに知ってもらうことで、物事の見方の視野を広げたり、自尊感情や自己肯定感を育むことに力を入れているNPO団体である。

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