兵庫県の三田市を拠点として活動している、場とつながりの研究センターは「三田まちの寺子屋 まなびあ」という活動を行っているNPO団体だ。名前に含まれている寺子屋というと江戸時代の学習施設の名前で、勉学をはげむ場所というイメージが強いが、この「まなびあ」は子どもたちの学習支援をするだけの場所ではない。NPO団体として活動がスタートした当初、経済的なしんどさを抱えている家庭の子どもや、ひとり親の家庭の子どもを主なターゲットとして、学校が終わった後、放課後に学習する場としての提供を目的としていたが、活動を続けるに従って、そうした家庭の子どもたちが抱えている大きな問題は、学習の遅れよりも人とのつながりに飢えており、特に自分のことを見守ってくれる大人がいるという認識が不足していることが分かった。